低用量ピルで月経コントロール? 11/10/2021 最終更新日時 : 11/10/2021 Aikom 最近、生理の症状を軽くするために低用量ピルを服用している若い女性が多いことに、びっくりしています。そんな中、ある患者さんから低用量ピルの常用についての見解を求められたので、その時のお返事をもとに書きます。月経困難症などの辛い症状、月経のトラブルがあるということは、あなたの身体で何らかの問題が起きている・バランスが崩れているという身体のサインです。理由もなくいきなり「どーも、辛い月経です!今日からヨロシクー!」とやってくるわけではないですよね。日々の身体の使い方の結果です。ストレスを作りやすい、ネガティブに捉えやすいなど心の在り方にも原因があるかもしれません。原因があるから結果として表れています。冷え、運動不足、目の使いすぎ、食生活、ストレス・・・あるいは他の問題なのかは分かりませんが、その原因を改善してほしいという身体からのサインであることには間違いありません。そのサインを無視して、薬で症状を抑えることが、果たしてどういうことなのか考えてみてください。西洋医学は基本的に対処療法です。根治療法ではありません。薬によって抑えていくということは、自分の力を使っていない(使わなくても良くなる)ということで、イコール自分の身体の機能が衰えていくということになります。服用をやめると再び辛い症状が出るという状態は、それを表していると言えます。運動不足や冷えなどで骨盤がスムーズに動けないこと、下半身や股関節の血流が悪いことなどが月経の問題を起こすことが多いです。女性の生殖器は、男性が外付けタイプなのに対して体の内側・骨盤の中にあります。下半身や股関節の血流が悪いと、股関節のすぐ上にある骨盤の中、卵巣・子宮の血流も滞ります。話は少し横道になりますが、血流が悪くなり血液がドロドロとする状態を「瘀血(おけつ)」と言って、それにより様々な不調が生み出されるのですが、子宮筋腫はもはやその頂点、女帝!「クイーン オブ 瘀血」と言えます。子宮筋腫を摘出しても、体質の改善にはならないので違うところに影響が出てくる方もいるようです。たとえば甲状腺の疾患や神経性疾患などです。東洋医学ではこれらの症状の原因のひとつは瘀血とされています。今起きている症状は、取り敢えず低用量ピルで抑えられるかもしれません。でも、自分の力で原因を改善することなく過ごしていたら・・・どうなるでしょう?根本的には何も改善されない、自分の機能は衰える・・・ということは、卵巣のホルモンコントロールや排卵などの働きも悪くなります。そのことで更なる不調が生まれたりします。低用量ピルは不妊への影響はないと謳われていますが、実際はゼロではありません。また、若年期に服用を続けて、更年期や閉経期になってどのような影響が出てくるのかは未知数です。表には出されないだけで、実際には長年の服用によってお困りの方がいることは確かです。低用量ピルを服用するのは自由です。でもたとえ服用される際にも、どうぞ生活習慣や心の在り方などを都度点検してみてください。同じ薬でも、漢方という選択肢もあります。(鍼灸にしても漢方にしても、改善するには、根本から改善したいという強い気持ちと、ある程度の時間は必要だと思います。)私たちにはもともと持っている治癒力や、恒常性という生きるための維持システムがあります。身体は本来何もしなくても、ベストな状態であろうとし続けてくれています。それを最大限使えるようにお手伝いするのが鍼灸であり東洋医学であり、本当は東洋も西洋もなく、医療そのものだと考えています。まずは身体の声に耳を澄ませられるようになること、そしてそれに応えられるようになることを目指しましょう。それにはまず身体に、いつもありがとうと感謝の気持ちを伝えてみてください。私たちの身体は、この世に生まれた時から(実際は胎内にいる時からですね)常にフル回転・フル稼働で頑張ってくれています。